第1話として紹介していくのは、
ズバリ!!!
「渋カジ」
です!
渋カジは、渋谷カジュアルの略で、アメリカンカジュアル→アメカジ、ヨコハマトラッド→ハマトラ
キレイめカジュアル→キレカジ、みたいな言葉と一緒です。
渋谷を拠点に一大ブームを巻き起こした、この流行について、今、もう一度考えていきたいと思います。
そして、現代の私達のスタイリングにいかせることがあればいいと思っています。
そもそも、
渋カジって何?
1985年頃から、1992年頃にかけて流行したカジュアルスタイルの事で、主な担い手は、
現在50歳くらいの団塊ジュニア世代でした。東京渋谷を中心に遊ぶ若者たちのファッション
からスタートとしています。アメリカンカジュアルをベースにオリジナルの
少しアウトローな味付けとか少しブルジョアジーな味付けをしたスタイルが主流でしたね。
当時、ある種、制服的に大ブームを巻き起こした製品もありましたし、チーマー、オヤジ狩りみたいな
文化とも絡み合い、日本ファッション史の中で、エポックメイキングな流行といってもいいでしょう。
背景
渋カジが流行する前に、1980年頃大流行したのがDCブランドブームでした。
※DCブランドブームについては、後日、記述いたします。
そして、そのDCブランドブームが下火になり、名前ばかりが有名で金額的コスパが良くない
日本デザイナーブランドは、もうコリゴリ!!!
って言う人々が、カウンターカルチャーとして、流れていったのは、
デザインばかりではなく、品質の良い、インポートブランド、
つまり海外の、コスパの良いブランドに多くの人は流れて行きました。
そして、その後に、というか、その流れと平行して誕生したのが、「渋カジ」でした。
だから、当時の渋カジの時に愛用されていたのは、海外のブランドが多いですよね。
主流のスタイリング
渋カジは、都内の有名私立高校に通う、富裕層の子息たちが広めたと言われています。
普通の高校生たちが自分の小遣いで買えないようなものを着ていたので、お金持の
息子さん、娘さんだったのでしょう。
パンツは、リーバイスのデニムか、ラルフローレンのネイビーチノ、
シャツは、ラルフローレンのボタンダウンシャツ、ポロシャツは、ラルフローレンのポロ、
靴はレッドウイングのエンジニアブーツとか、コールハーンのローファー、エルエルビーン
とかティンバーランドモカシンでしたね。アメカジからの派生もあって、アメリカ物が
主流でした。
スタイリングとしては、アウトロー系渋カジは、エンジニアブーツに、リーバイスの501、
ヘインズの白Tシャツ、ブルジョアジー系渋カジは、モカシンに、ラルフローレンのネイビーチノ、
ラルフローレンのポロシャツみたいな着こなしでした。
いつしか、アウトローとブルジョアジーが交錯し、ラルフローレンなのにエンジニアブーツで
アウトロー系、リーバイスの501にラルフローレンのボタンダウンを着ているけどアウトロ―系
という感じでした。
※日本でラルフローレンがアウトロー化した初めての瞬間でした(笑)
このころは、パンツの形はストレートが主流でした。今の様にテーパードがかかっていると
チョイださげでしたね。ブーツを履いたりすることが多いので、必然的に裾の広いパンツが
主流だったのでしょう。
その他、渋カジブームの時に流行っていたもの
【ライダースジャケット】
冬は、ライダースジャケットが、マストアイテムでしたね。ショットとかバンソンとかの
シングルの立ち襟ってのがお決まりでした!
相互効果で、バイクも流行ってましたね。SRとかトライアンフとか。
【ミリタリー系】
アルファとかアヴィレックスの、フライトジャケットも来ている人が多かったですね。
MA1とか凄かったです。後に、派生してN2Bも流行ってきましたね。
このあたりから、ミリタリーが、日常のスタイリングに溶け込んでいるのを実感しました。
【ワンディパック】
夏は、Tシャツとかポロシャツに、アウトドアとかイーストパックのワンデイパックを背負ってる
人を多くみかけました。
【インデアンジュエリー】
原宿の「ゴローズ」のインディアンジュエリーが大流行していましたね。
芸能人もこぞって、ゴローズ好きを宣言しとりました。木村の拓哉さんが第一人者でしたね。
渋カジが大きな潮流になったわけ
当時人気のあったセレクトショップ『ビームス』、『シップス』などが渋カジのスタイリングで
着床されるアメリカ物を数多く入れはじめたことと、『バックドロップ』、『レッドウッド』、
『プロペラ』、『スラップショット』などのアメカジガッツリの店舗が盛り上がり、購入を
しやすくなったというのがあると思います。それに連動して、男性誌の盛り上げというか
取り上げが凄かったからだと思います。
当時の男性誌って、今ほど、そんなに数もなく、『ホットドッグ・プレス』、『ポパイ』、
『チェックメイト』、『メンズノンノ』あたりくらいしかなくって、その雑誌が
こぞって、渋カジ関連の商品を記載していたのと、商品だけではなく、文化としても
着目していたのが大きかったんだと思います。
渋カジが現在のファッションに残したもの
渋カジで流行っていた物って、実際には、現在も多くの人に着られている物が多いんです。
流行りだけど、流行りじゃないというか・・・
リーバイスの501にしたって、ラルフローレンにしても、ライダースジャケットにしても
ミリタリーにしても、
「あの時流行ってたけど、もう着れないよね?」
って、物は全くなくて、現在もうっすら残ってるとかじゃなくて、現在もバリバリ
に残ってるんですよね。
だから、渋カジって言われ方をしていますが、要は、アメカジなだけなんですよね。
そこに、味付けがされていて、みんな長髪とか、みんな少しアウトローとか、
その味付け方が似てるってだけで。
ただ、個人的には、ラルフローレンのネイビーチノにエンジニアブーツとか合わせて
強さというか艶を出すっていうスタイリングは、僕にとっては、割と大切な技法の様に思って
います。
無骨さだけでなく、ドレッシーさだけでなく、無骨な服にドレッシーさを加えたり、
ドレッシーな服に無骨さを加えたりすることのヒントのようなスタイリングが、
渋カジのスタイリングに散りばめられていた様に思えます。
渋カジは、時代の大いなる流れを作ったブームで、かつ、一過性の物ではなく、
物凄く必要だった通過点だったように思えます。
渋カジを学ぶことにより、アメカジの基本を学習したって人は、かなりの数いると思います。
初めて、リーバイス501のどストレートのパンツのラインを体験して、感動して、
靴と裾との合わせを考えたりした人は多いでしょう。
ですので、渋カジは大事な、大事な流れだったと言えると思います。
そして、そのカウンターカルチャーとして、裏原ブームがやってくるってのが
とても面白いですよね。裏原ブームについては、またいつか記載しようと思います。
※ここで書かれていることは、事実に基づいて記載していますが、情報が不確かなものも
ございますので何卒ご了承ください。
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